ごろ太三昧

(雑種猫ごろ太の乳母日傘な日々)

2009年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年12月

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ホカホカ水玉


「むー、この席あったかデス」


坊ちゃん、鼻に水がついてますよ


「ハナにミズ・・・」


もっと上の方ですよ


「届かナイデス!」




特等席を占領すれば冬の時雨もまた愉し。
絨毯ソファの肘掛けはヒーター点ければパラダイス。先日始動して以来ここは自分の場所だと言って立派な毛皮を纏っているのに特等席を占拠し、ぬくぬくシヤワセ噛みしめながら小窓の炎を眺めていれば喉が渇くも無理はない。
水飲み皿からテチテチと音立てながら水を飲み、おこぼれ床に飲ませた後で席に戻ってご満悦。
こぼれた水を拭きとって雑巾片手に横を通れば、篤と寛ぐ坊ちゃんの鼻には光る水の玉。

ついてますよと指差すと、撮られてなるかと言わんばかりに慌ててぺろりと舌を出す。血潮の透けて紅梅に染まった舌が舐めるのは鼻の頭ばかり也。どれほど舐めても鼻筋について離れぬ水玉に、届きませんと不服顔する顎の先まで濡れていた。
しまい忘れておちょぼ口から常々こぼれ出るほどに長さを誇る舌なのに、届かぬことが不思議だと首を傾げて見ていたら、悔し紛れかカメラのレンズにぐいっと鼻筋擦りつけ、潰した水玉レンズに移し耳のあたりを滲ませてこれで取れたとしたり顔。

そぼ降る時雨の銀の糸から垣間見えるは冬の影。厚いコートのポケットにせわしい師走を忍ばせてのたりのたりと坂道を肩竦ませて進みゆく。


「取れマシタ!」





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終わり良ければ


拭くのは」               「イヤだって」

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「言ってるのニィーッ!」

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「む、背中は気持ちイイデス」

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「オデコや」              「顔の横や」

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「耳の中まで拭かれマス」

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「エライねとホメられて」

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「いつもゴマカされマス」




誤魔化されれば良いことばかりに終わりけり。
厭だと言って暴れても手拭き拭き背中拭き。ガブリ噛んでも止まらずに全身拭かれる濡れタオル、散歩がしたけりゃ欠かせぬと今日も坊ちゃん我慢する。
せめて少しは心地いいよう心づくしの温タオル、背中をゴシゴシ拭くうちに爪の刃も引っ込んでオデコ拭かれて褒められて気づけばいつしか喉鳴らす。誤魔化されたと知りながら鼻の横には皺が寄り気持ちの良さを隠せずに、今日の勝負も乳母の勝ち。

散歩の後の儀式終えれば嬉しいゴハンが待っている。明日の予報はまた時雨。北からおいでの冷たい風が落ち葉をからから弄び、厨の窓を時折揺らして入れてくれろと頼んでも、冬の安居は温もって曇り硝子の向こうの話。腹を立ててもすぐに忘れて終わり良ければすべて良し。





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意固地解れて


「動いて見せろと言ったって」


「ボクはココから動きマセン」


「ゼッタイ動くもんか!」


「ゼッタイ、ゼッタイ・・・」


坊ちゃん、あっちで何か音がしてますよ

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「むむっ?!」               「どれどれ」




瞬間を生きる坊ちゃんの切り替えの早さに脱帽。
晴れて曇ってまた晴れて今年最後の名残の秋晴れ、さぁさ坊ちゃん存分にお天道様を楽しみましょうと少し早めにドアを出る。ところが昼寝の邪魔をされたと隊長はご機嫌斜め。
何歩も行かずに足を止めるはかつて秋場所猫相撲の土俵となった駐車場。休憩場所に選びしは真夏に焦げて栗皮色したマンホール。動かないぞという顔でどたりと身体を横たえて、ご機嫌取ろうが脅されようが意固地な顔してそっぽ向く。

青空の下お日さま浴びて物見遊山も楽しかろうとせっかく外に出たけれど気が向かぬなら仕方なし。黄金色した空気の中で日向ぼっこもいいですね、と思い直したお附きの乳母がしゃがみ込もうとしたときに、バサバサバサと通りの向こうで思わせぶりな音がした。
忽ちは面を上げてそわそわヒゲを動かすと、さては烏の影遊びかと隊長の顔になり、逸早く馳せ参じねばと軽々腰を持ち上げた。動くものかと意固地になったさっきの誓いは何処へやら。

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忍び笑いで仰いだ空に枝を広げた柿の木の高みの枝に残る実ふたつ。そんなに上に実っては飛び降りるのも怖かろう。どうして地面へ届いたものかとお日さま浴びて思案中。





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白を踏み締め


「今日こそ白い坂下りマス」

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「ヨーシ、行くゾ!」

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「花も嵐もォ~」            「乗り越えてェ~」

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「アレ、初めて見マシタッ!」

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「次アッチ!」             「アッチも見マス!」

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坊ちゃん、飛び乗りはご法度ですよ

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「むーん、じゃ向こうを見マス!」




白き坂道踏み締めて尖がり耳に何を聴く。
猫の好機はマコト突然やって来る。白黒迷って留め置いた日暮れ前から半月あまり。円き模様を見つめる背中をお天道さまに励まされ、ついに坊ちゃん思い立ち白き急坂下り行く。

通りの端をそろりゆくげに慎ましき足取りも、思わず歌った鼻歌に景気づいたか力を増して右に左に渡っては新発見に目を見張る。イチニンマエの顔をしてサラダがあっても知らん顔。
白い坂道踏み締めて初めて眺むる家々の小さな枯野を見つめては秘密の地図に追加して、次は向こうに渡ると言って口とがらせて向き直る。
柿の実ついばむヒヨドリが通りかかったスズメの親子に喧嘩を売って騒いでも、尖がり耳を前に傾け何を集めているのやら彼の耳には届かきゃせぬ。

この道何処へ続く道。坂の下では白が途切れて再び黒いアスファルト。新たに出でし境界に訳知り顔の坊ちゃんは頷きながら振り向いて、げに誇らしき足取りでもと来た道を引き返す。
夏蔦の葉が紅く燃え南天の実も色づいて通りかかった庭先の枯野の中に錦あり。





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出掛けの検分


「コリャ何ダロ?!」


「ムムッ!」


「どれどれ」


「ふむふむ」


「ナルホド・・・」


「判りませんデシタ」




危うくもウマくもない動かぬ物に知る価値ナシ。
たとえサラダが喰えずともやはり警備は必要と、后後の陽射しに誘われて思い直した隊長は今日も勇んでドアを出る。彼の意気地を試すがごとく玄関前には不審物。その大きさにギョッとして及び腰ではあるけれど、我らの近衛連隊長はおっかなびっくりご検分。

ぐるりニオイを嗅いだところで何の気配も見せはせぬ金属製の物体を、使命に燃えて神妙顔で検討してみた隊長、錆に時間を取られたが何だかさっぱり判らぬと判ったことに清々したら見向きもせずに歩き出す。下がった腰も元に戻ってもはや微塵も興味なし。
危険がなければそれでヨシ。ましてやウマくもない物を知ったところで無意味なだけだとシッポを立てて闊歩する。知るべきことを知っている自信に満ちた隊長の小さな足の踏み跡に何やら哲学感じつつ、今日は一味違いますねと乳母は後ろをついて行く。
赤い実つけた千両が隣の庭のフェンスから通りをのぞいて揺れている。





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乳母たる所以


  「ボクの・・・」             「おしゃぶり!」

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「夜の留守番は」

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「ちょっと淋しいデス」

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「でもちゃんとできたから」

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甘えてもイイ・・・」

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「むーん・・・」




齢2歳と4ヶ月。げに稚き大きな仔
降ったり止んだり判然しない時雨の様子を伺って散歩をなんとかこなしたらすっかり暗くなっていた。お使いに出て戻って来ると布団を四肢で踏みながらおしゃぶりさせろとぐるぐる回り乳母の着替えの邪魔をする。パジャマでなければイカンと仰るその拘りの美学のせいで着替えなければおしゃぶりできぬ。それを知ってかジレンマでちゃくちゃくちゃくちゃく口鳴らす。

寒さと雨と留守番と3つの条件重なっておまけに夕暮れ時とあらば、生意気盛りの坊ちゃんも忽ち仔に早変わり。数々の迷言生んだこの儀式、保護して2日でコレをやられて乳出ぬ乳母も乳母となり、今日もお仕えする次第。近頃オトナの顔をして忘れていたかと思ったが巷に冬が訪れて解禁なのだと彼は言い、ぐごぐごフシューちゃくちゃくと一心不乱にシャツを吸う。顔も判らぬ母恋しさはヒトから見るとやるせない。

狭く貧しいアパートもコドモのままで生きてゆく彼にはお伽の国なのだ。お伽噺が終わらぬように重たい中年ティンカーベルは今日も必死の低空飛行でポケットからはオモチャの魔法。
齢2歳と4ヶ月。げに稚き大きな仔。膝にズシリと5キロの重み、乳母の腹揉む力の強さと時折フシューと吐く息の温かきこといとおしや。







【蛇足的補足?】
ちゃくちゃくジュッジュッとに吸われてパジャマのシャツはヨダレにまみれ、後でお腹に冷やりと触る。の舌にあるトゲトゲはかなり強力と見えて、いつも吸われる部分の生地は毛羽も立たぬほど薄く硬くなっているのである。色もなんだか黄ばんでしまったこのシャツは、のヨダレ臭ファンなら垂涎、ファンでなければ悶絶の複雑怪奇なニオイ付き(笑)。

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品切れサラダ


「今日はサラダの気分デス」

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「ソーダ!あそこに行こうっと」

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「ボクの!」             「・・・ナイ!」

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「エ?品切れ?、来年まで?」

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「ンモーッ!もうイイデスッ!」

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「もうおウチに入りマス!」




サラダがなければストライキだとは言う。
グルメを気取る坊ちゃんはサラダを外で召し上がる。通りをゆけばあちこちによりどりみどりのサラダバー。中でも贔屓にしている散歩コースの西の果て、玉座に続く階段の中腹あたりで待っている。今日はサラダの気分だと玄関出たら一目散、ヒヨドリの声浴びながら冬めく緩い坂道を目当てのまで軽やかに運ぶ足取り急ぎ足。

わき目も振らず駆けつけたのに歯応えの良いオヒシバも柔らかな葉のエノコログサも気づかぬうちに冬ざれて、枯れて倒れて藁の色。残っているのはハハコグサやらホトケノザ。
いくら鼻先近づけたとておいしいサラダは出て来ない。唖然と佇む坊ちゃんに、次の春まで品切れですよと事の次第を説明したが、納得いかぬと坊ちゃんは癇癪起こして走り出す。
ピーンと張った引き紐に半ば引き摺られるように全力疾走強いられて、息を切らせた玄関先でサラダがないなら本日のパトロールなどやってはおれぬと隊長はストライキ。

ふくれっ面の坊ちゃんを、そんなら庭に生やしましょうと慰めてみる乳母ではあるが、冬に備えて播いておこうと大麦燕麦取り揃えそのまま忘れていたことを思い出すのは3度目だったと、坊ちゃんからは見えぬよう向こうを向いて舌を出す。





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| 散歩猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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猫同心ゴッコ


「ソコに居るのは判っているゾ」

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「御用ダッ!」               「御用ダッ!」

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「むむっ!消えタ・・・?!」

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「ココか?!」              「ソコか?!」

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「往生際の悪い野郎ダ」

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「見つけたゾ!」

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「観念しなッッ!!」




稽古なら手柄も取れる同心の捕物である。
冬ざれてゆく巷では冷たい時雨や北風に下手人どもも縮こまり通りに姿も現さぬ。大きな声では言えないが、同心も寒さは苦手。夕餉の時刻に間に合わぬとか帳簿の記録が済んでおらぬとかあれこれ言い分け重ねては、どうも夜警をさぼりがち。これでは手柄も立ちはせぬ。
そんなことでは十手持つ手も鈍りますよと岡引。それは困るとご同心、いつ何時に下手人と鉢合わせてもいいように、これから捕物稽古をすると布団の上で腕まくり。衣擦れ布団を落ち葉に見立て、盗人働く大和の一味が潜んでいるのをひっ捕えると彼は言う。

御用御用の掛け声で同心は布団掘り。ここと思えばまたあそこ、盗人どもは惑いつつ幾度か追っ手を逃れたが、やがてとうとう追い詰められて十手かざされ平伏した。

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鼻高高の同心、後は頼むと言いつけて風に当たってご満悦。明るい昼間の捕物ゴッコに御用提灯持たずに済んだが、彼のお伴の岡引と逃げる盗人二役を同時にこなして疲弊の乳母はそれでも仰せに従って、下手人役の自分の手指を布団の中から引っ立てて見せ確かにお縄にかけましたよと仁王立ちするの背中に知らせることを忘れない。





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| 遊ぶ猫 | 21:00 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑

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ニャン法伝歩術


「むむっ?!」


「このニオイは!」


「むーん・・・」


「アヤシイデスッ!」




壁伝いに右往左往するニャン法を習得。
日々の修行の甲斐があったかその齢弱冠2歳で坊ちゃんは二足歩行を物にした。その鍛錬の動機とは南の玉座に君臨している大きな雄デッカちゃん。どんなに邪険にされたとて偲ぶ想いをあきらめられぬ憧れのプリン姉さんに、ちょっかい出そうを追いかけ回す憎き恋敵なのである。
南の玉座にほど近い、とあるお宅の敷地あたりに彼の残した痕跡がなかった日などないのだと、今日も坊ちゃん足を止め頻りに辺りを嗅ぎ回る。数多き警備箇所でも1,2を争う重要地点で任務を素早く正確に行うためと会得した、これぞニャン法伝歩術。数々のニャン法の中でとりわけ習得に困難を極めたのだと鼻ふくらませ坊ちゃんが語るその術を、サアサアとくとご覧あれ。







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| 散歩猫 | 21:00 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

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チョビ髭芸術家


「イイデスカ!」

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「こういうトコに」

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「チョビ髭の素が」           「あるんデス!」

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「ちょっと待ってくだサイ」

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「こっちもイイなぁ・・・」

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「ココに決定デス」           「むふふーん!」




チョビ髭は芸術的創作なのだと居直る哉。
アパートのすぐ横にある大家さんちは材木店。遠い街からやって来た大小様々なトラックが毎日毎日入れ替わり散歩コースに現れて材木積んだり下ろしたり。これは警備の一環デスと隊長気取りの坊ちゃんは、まだ見ぬ場所に思いを馳せて隈なく車をチェックする。
バンパーの下に頭を入れてニオイを嗅ぐのはヨシとして、お願いだから頬っぺたを擦り付けるのを止さないかと何度言っても止めはせぬ。汚れた煤で髭つけて散散茶化され機嫌損ねて必死になって洗顔したのを気取った顔で否定して、あの髭は意図してつけた芸術なのだ、今から創作法を披露するから見ていろと、先刻止まったトラックを一心不乱にチェックする。

甚だ迷った挙げ句の果てに今日のチョビ髭描く絵筆は絶対ココが宜しいと、自信と確信と矜恃を持って唇めくる勢いでグイと右頬擦り付けたのについにチョビ髭現れず。
鏡を持たぬ芸術家は今日の作品如何なものかと鼻ふくらませ自画自賛。煤を落としたトラックで木材取りにやって来た大工さんこそ天晴れとニタリ笑った乳母である。





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| 散歩猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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茂みに冬潜む


「むーん・・・」


「ナニも居マセン」


「コッチの奥にも」


「やっぱり居ナイ・・・」


「むーん」


「むーーん」


「むーーーん」




暗い茂みが見える目も積もる朽葉は映さない。
家と家との谷間にあって日照乏しい我が家のだが、寒風凌げる利点もあって花嫁のヴェールの名のついた中南米のツユクサがまだ青々と生い茂る。その葉の青さに騙されて何か居るかと坊ちゃんが、茂みに幾度も分け入って戻ってみては何も居ないとご不満顔で訴える。
ヤモリの木の字も蛾もついこの前までここに居た。待っていたらば出て来てくれると辛抱強い坊ちゃんは壁を見つめて腰下ろす。遊び相手の呼びかけを耳を澄まして待つうちに、いつしかとっぷり日が暮れてオシリの下のコンクリートが冷たくなっても待っている。

彼は気づいていないのだ。青く茂ったその葉の陰にひっそり積もる朽葉やら、小さなのあちこちの藁色をした継ぎはぎを日毎増やして秘密裏に冬始まっていることを。
1日が暮れゆくように秋もすっかり暮れたのだ。どうしてなのか解らぬは暗い茂みに目を凝らし、春までこうして待つのだと冷たくなったオシリの上に丸めた背中をのせている。
窓からこぼれる黄色な灯りの目に温きことこの上なし。





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| 庭と猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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燃えろよペチカ


「燃えテル燃えテル」

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「鼻が乾くケド・・・」

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「うっふ」                 「ふ~ん」

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「あったかデス!」

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「むっふ」                 「ふ~ん」

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「シヤワセデス!」




炎にはを酔わせる抗い難きチカラ有り。
霜月も半ばを過ぎたと今日は一際冷え込んで、真昼になってもお天道さまは陰気な雲に閉じ込められて気温度という寒さ。いよいよ分厚い雲の向こうに微かな音で空が鳴り終に雨まで降り出して、向かいの庭の山茶花が冴えない顔でうな垂れた。なんのまだまだ11月、明るいうちは暖房入れて堪るかと痩せ我慢した家の中、とヒトとは悴まる。

いともあっさり挫けた乳母は本日方針変更しますとファンヒーターを始動する。毛を逆立ててちんまりしていた毛むくじゃら、やおらむっくり立ち上がり送風口の小さな窓からちらちら揺れる炎を眺めシッポの先を動かして特等席へと鎮座する。乾いた鼻を舐めながら温き空気に酔ったがごとくゴロリと身体を横たえて歓喜の踊を披露する。

鈍色の雲引っ提げて坂の下まで冬が来た。凍てつく鎧を軋ませて、ここまで来たぞと歩みを進める大きな足が地を踏む度に冷たい息を撒き散らす。
薄き硝子に守られて寒声遠き部屋の中ではすっかり身体も温まり陶酔顔の果報
げに素晴らしき炎の威力。幸多かれと燃えろよペチカ。







【蛇足的オマケ】

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食べることに執着を持たぬ上に飽きっぽいサバイバル能力ゼロの坊ちゃんのため、カリカリお試しバラエティセットを調達。今食べているものと交互に献上できるよう、椀子せずとも喰いつきの良い新たなカリカリを捜索中なのである。エコバッグとサカナのキッカーのおまけ付。
果たしてこの中から坊ちゃんのお気に入りは見つかるのか?さてさて皆様お立会い(笑)。





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| 寛ぎ猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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小菊の花陰で


「スン、スン、フガフガ・・・」


「くっはぁ~!」


「反対側も点検シマス」


「ムムッ?」


「どれどれ・・・」


「クンカクンカ、フンフン」


「くっはぁ~~!」




満開の小菊陰で野暮天は口開ける。
秋酣を通り過ぎ日に日に侘しさを増す散歩道だが、坊ちゃんの捕物ゴッコの大事な舞台の草叢は今が盛りと枝垂れるほどの満開小菊。白に黄蘗に薄蘇芳、思いのままに開き目にも嬉しい彩りに惹かれるように坊ちゃんは迷わず小菊の叢目指す。

可憐なを愛でるとはなんと殊勝なだこと。天晴れな坊ちゃんですねと言いながら後を続いた乳母であったが彼の目当ては小菊の脇の積み重なった材木の山。雨除けのビニールシートに包まれて突如屹立せし山がいとをかしいと彼は言い、嗅ぎ回ってはフレーメン
一際見事に垂れる反対側に回ってもやはりには目もくれず、いかにも自分の重要任務と言わんばかりにガサガサ無骨な真白きシートをクンカクンカと嗅ぎ回る。

揺れる小菊に目を遣って微笑みかけているかような無邪気なの塊にそっと微笑み返していたのに、割り込んで来た野暮天の半開きの口こそをかしけれ。





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| 散歩猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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椀子カリカリ


「ボク、ゴハン食べマス」

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「四角いのクダサイ」          「むーん、ソレデス」

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「早く早く~」

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「むむ!」                 「ウマイ!」

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「次!次のクダサイ!」

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「むふーん」

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「ウマイッ!!」




この食事作法を拙宅では椀子喰いと云ふ。
たとえ前の晩どんなに遅い時間に坊ちゃんのお遊びにつき合おうとも、翌朝6時を過ぎれば彼は起こしにやって来る。起きて行かねばベッドの端で「ウバーッ」と何度もヒトを呼ぶ。
連れ合いがお皿に出してくれた朝ゴハンのカリカリを1粒ずつから召し上がることが彼の望みであり日課であり信条でさえあるのである。

この椀子係が一筋縄ではゆかぬのだ。甘ったれているクセして大変横柄な坊ちゃんは、うるさい食通のような態度で四角いのの後は丸いのだとか同じ丸でも茶色いのだとかあれこれ偉そうに注文つけつつ、1粒食べてはまた1粒。大きなお刺身は自分で齧れぬとのたまうやんごとなきお上品なおちょぼ口へと絶妙のタイミングで運ばねばならぬ。

そんな食べさせ方をしたら自分でゴハンを食べなくなると初めの頃は心配していた連れ合いも、乳母がのっぴきならぬ事情でお食事につき合えない折りに、しゃあしゃあとした顔でひとりお皿から召し上がる坊ちゃんを見て今では何も言いはせぬ。
ひとりで食べられるのであれば朝もひとりで食べてはくれぬかと内心思っている乳母も、今では何も言いはせず、まだ冷め遣らぬ寝ぼけマナコで四角いのやら丸のやら1粒1粒つまみあげてはおちょぼ口へと差し上げる。こんなオトコに誰がした?甘やかしたのは誰だっけ?





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| 甘え猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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日溜りの謀り事


坊~っちゃん


「ナンデスカ?」


何かついてますよ


「・・・ココ?」


「取れた?」




ささやかなの愉しみを邪魔する乳母の悪企み。
家と家との谷間のような狭い庭が唯一の開口部である拙宅は、なにしろすこぶる日当たりが悪い。太陽の通り道が地平線に少し近づいたこの季節、やっと窓辺に訪れたに似合いの日溜りはそれでも時間限定40分。10分延びた貴重な時間と今日も坊ちゃん大忙し。
早々に毛づくろいを終わらせて日向ぼっこを楽しもうとせっせと勤しむ坊ちゃんを、チョイと茶化してみようかとたまには乳母も悪企み。
こちらを向いた坊ちゃんはついてもいない顔の何かを真顔でペロリひと舐めし、もう取れたかと律儀な様子で確かめる。いつぞやのチョビ髭事件を思い出し何がついたか気掛かりなのかと零れる笑いをひた隠し、今さら嘘とは言えない乳母は取れましたよと頷いた。

こうも容易く引っ掛かられては揶揄う気持ちも憚られ、日溜りのまぶしさに意地悪乳母は目を細め小さくご免と呟いた。黄金を帯びた秋の日惜しんでお愉しみあれお坊ちゃん。





【蛇足的オマケ】

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ところで久々に行った大型スーパーでヘンなお菓子を発見。『マンモスの肉』って・・・(笑)。
中身は怪しい赤い色した肉風味のデンプンチップス。パリパリと歯応えが良く塩味が効いていたのだが、取り立ててウマくもなければマズくもなしで、突っ込みどころはパッケージに書かれた‘マンモスの肉は入っていません’という一文だけであったことがちょっと残念なような。
坊ちゃんに見せると怪訝な顔でスンスンクンカクンカ・・・。しかしこの直後イヤ~な顔をされたので似非マンモスの肉はあえなく撤収となったのだった。





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奇術もこれまで


坊ちゃん、ほらほらシジュウカラ

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「ムッ?」

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「・・・遠過ぎマス」

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それじゃヒヨドリは?            「ムムッ?!」

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「アレッ?」                 「行っちゃッタ」

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「乳母の手品も大したことナイデス」




まやかしの手練手管は通用せぬと彼は言う。
秋と冬との相撲勝負は立ち合いからの押しの一手で冬の優勢と思えたが、ここにきて土俵の際で秋が踏ん張り青空出して巻き返す。数日振りの太陽とポカポカ陽気がウレシイか、パトロールなど後回しだと隊長は横たわりお陽様浴びて寛ぎながら余興はないかと所望する。

それでは小鳥はいかがですかと乳母が指差すその先に青空背負ったシジュウカラ。遠いと文句を言われてもめげずにヒヨドリ出して見せこれならいかがと詰め寄ったもう後のない土壇場で、ふいと飛び立ち空に残るはその甲高い鳴き声の余韻が尾を引くばかり也。
いつぞや鳩を増やして見せたら目を見張っていた坊ちゃんに手練手管を見破られ、皮肉な台詞を投げられるとは乳母の奇術もこれまでか。

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癪に障るはヒヨドリと雑木の梢を見上げれば、枝を透かしてくっきりと8本脚のシルエット。秋の名残の青空にぽつんと浮かんだ黒い蜘蛛。





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武器よさらば


「不当に身柄を拘束された上」

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「武器を取り上げられるなんて」

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「暴れてみたら」            「フード被されて」

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「ああ!ボクの」            「大事なツメが・・・」

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「もうお終いデスカッ?」

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「・・・反対の手もデスか」

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「手早く終わらせてクダサイ」




風呂より厭がるは爪切りなりけり。
狭いアパートの片隅で爪を切られるが居る。散歩の後の儀式に始まり月に一度はシャンプータイム、果てはドライヤーまで辛抱強くやり過ごしている坊ちゃんもとどのつまりはである。磨きに磨いた大事な武器をパチンと切るなど許すまじ。この時ばかりは暴れるからと分厚い上着の拘束衣。両手両足仕舞い込まれし哀れな姿はさながら蓑虫の如し。
爪に鋏が当たったと咄嗟にもがく坊ちゃんに見ていなければ怖くないと乳母はフードを被らせて、モンプチモンプチモンプチと魔法の呪文を唱えては大事な武器を切り落とす。

シャンプーの意味は解っても爪を切るのに一体どんな意味があるのか理解に苦しむ坊ちゃんは重低音の唸り声。その顔が終わった後で召し上がる美味なる褒美の味を思い浮かべて妥協と観念の表情に変わる頃、床の上には鉤爪がパチンパチンと夢の跡。





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冬呼ぶ叢時雨


「早く行きマスよっ!」

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なんて」               「ヘッチャラデス」

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「町内の安全が第一デス」

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「排水溝」                「ヨーシッ」

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「うひぃ~~」

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「冷たッッ!」





冷たい時の坂道に踊り出すのは隊長。
ざぁっと降っては止み、止んではまた降る叢時。窓辺に寄って触れた硝子はひやり冷え、濡れそぼつ落ち葉冬隣。坊ちゃんはベッドでまどろんで、シメシメ今日も休めると本を広げて音聴きつつ紅茶を啜る午下がり。そのシヤワセをいとも容易く奪い去るのはの声。
狸寝入りをしていたかやおらベッドで仁王立ち。いざパトロールに繰り出して町内の安全を今日も守らんと訴えかけるその目には、重要任務を時に流す気配なし。

開いた本を諦めて身支度済ませた玄関で一際脚強まったざんざん響く雨音に隊長ホントに行くのですかと訊ねてみても無駄なこと。早く早くと急かされて渋渋顔でドアを出る。
雨に覆われし坂道は流れ流れる川となり川面を叩く雨粒がバシャンと飛沫をはじいても、町内治安の使命に燃える隊長は怯むことなく時雨の中に踊り出す。
雨に打たれてパトロール。隊長のお伴を務める隊員のずぶ濡れカッパが衣擦れの音さえ立てなくなった頃、ああやれやれと言うようにぱたりと雨が止んだのだ。ふと目が合った隊長に続きをどうぞと申し出たのに「今日のパトロールは終わりデス」と済ました顔でドアの前。
雨の具合はどうなったかと窓から頭を覗かせたお向かいの家の奥さんに、ずぶ濡れ姿を見られた乳母は取り繕って苦笑い。雨に濡れるを厭わぬ猫はご近所中で周知の事実。

秋の記憶を土に染ませてひと雨ごとに寒くなる。そろそろ自分の出番だと重たい腰をもたげた冬がゆるりゆるりと歩き出す。大きな足でこの坂を上ってくるまであと少し。





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朔風蹴散らし


隊長、今日の巡回コースは?

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「これから考えマス!」

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「雨止ンダ!」                「むふーん」

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「アッチから?」              「いや、コッチ?」

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隊長、時間が・・・             「わかってマス!」

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「エエト・・・」                「ソッチだ」

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「ソッチから行くゾ、隊員!」





優柔不断の隊長に雀の声の助け舟。
晩秋時雨の翌日は坊ちゃん朝から落ち着かぬ。昨日の雨に降り込められて警備を怠けたばっかりに、待ち侘びた午后の時間が来ても何処もかしこも剣呑と小塀の上でいつまでも右往左往と間誤ついてなかなか順路を決められぬ。そろそろ行かねば警備遂行できませんよと小癪な隊員に急かされながらもあちらの小菊の草薮の魑魅魍魎はどうしたか、こちらの坂の途中に生えた芝草はまだ食べられるかと頭を擦って考える。

優柔不断な隊長を救いしは雀の声の助け舟。忽ちすっくり立ち上がり、茶色な鳥の声が聞こえし坂の上まで馳せ参じると時を得顔でご出発。
通りに残りし雨の湿りを踏みしめ進むげに勇ましい足取りにそっと触れるは柿紅葉。足許冷やかす朔風もその意気込みで蹴散らして、秋と冬との狭間の中を隊長は今日もゆく。





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はらりと一葉


「?」

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「はらり」                  「はらりと」

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「コリャ何ダ?」

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「はらり」                  「はらりと」

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「で、それから?」




はらり落つるをただただ見つめるばかり也。
夜毎の虫の音楽会はいつの間にやら幕を落として演奏家たちのキャラバンは遠い街へと旅立った。隣の家もお向かいも雨戸を閉ざして眠りについた。暗い通りのどこかからかさりと落ち葉の鳴る音ばかりが夜更かしの耳を慰める。今宵は時雨に包まれて一層静かに更けている。

物憂く去りゆく秋のワビサビが今夜の遊びのお題目。いそいそと床に座った坊ちゃんが期待のマナコで見上げる手元には一枚の葉ならぬ鳥の枕から抜け出たものをそっとつまんだ指を離すと微かな重さではらりはらりと落ちてゆく。
興味津々で見守るも、落ちたは動かぬままの塵芥。物哀しさに感じ入っているような後頭部だが、彼からすればその後何も起こらぬことがどうにも不可解なのだろう。
これから何か起こるのか、が突然踊り出すかとただただ見つめるばかり也。

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以前楓の種に似せて紙でこさえたプロペラを、得意顔して「ホラ見てごらん!」と次々宙に放ったが、期待に反して坊ちゃんははらりと飛んで床に落つるを両手で挟むこともなくやはり眺めるばかりだったと乳母は後から思い出す。ご期待にお応えできず物哀しさも増すばかり也。





【蛇足的補足】
はらりはらりと宙を舞わせるのに小さな鳥のは最適なのだが、が口に入れる可能性を考えるとあまり適当な材料とは言えないかもしれぬ。
無事に胃袋まで届いてしまえばの胃酸は強力なのであっという間に消えてなくなるのであろうが、硬い芯の部分が口の中や喉や食道に引っかかると大変厄介なことになりそうなので、ワビサビ遊びを試してみたい方には紙のプロペラの方をオススメしたい。両手でパン!と挟んでくれたらお慰み。





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行こか戻ろか


「向こうに行ってミマス」


「この白いトコロって」


「まだ行ったことナイ」


「下りてみようカナ・・・」


「どうしようカナ~」


「今日はやめておきマス」




白黒つかず立ち止まると立ち止まらぬ太陽。
コンクリートでガッチリ舗装されているのは傾斜のきつい白い。温い陽射しに誘われて黒と白との境界で、行こか戻ろか決めかねてはゴロンと転がった。
下りるが吉か戻るが吉か占うつもりで転がりたるも二の足踏んで立ち止まり、眼下に連なる円い模様を困惑顔で見下ろして電柱の陰に隠れてみたり白を踏んだり戻ったり。

立ち上がった冬に早く早くと急き立てられて太陽は西へ西へとひた走り、の下から夕冷えがだんだん嵩を増して来て、冷えた気配に鼻先触れて坊ちゃんくるりと向き返る。
時折思い立ったがごとく巡回コースを拡張するが今日は好機でなかったか。
屋根の上から小首を傾げてこちらの様子を見ていた烏が影を残して飛び立った。風がひやりと頬に当たって上着の襟を立てながら、坊ちゃんそろそろ帰りませんかとの背中につぶやくと、道の向こうの小菊の花がそうなさいなと頷いた。





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上り坂のオリョ


「ダレかコッチを見てイマス」

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「ヘンな格好のがいる!」      「エト、ボク、ボク・・・」


「ギョ!ヘンなオバサンもいる!」


「まだこっちを見てる・・・」


「早くあっちに行かないかなぁ」




不審なチョッキとオバサンを訝かるオリョ。
この界隈は坂だらけ。少し下って右へ折れると車道に続く小路は上り坂。途中の大きな邸宅は広々とした和風の庭。奥さんは大層な好きで長年らを愛でている。この家は美揃いで誉れが高く大家さんちの麗しき女帝プリン姉さんもここでお生まれになったのだ。

そんな美一族をひと目見たいと思っていたがなかなか機会に恵まれなかった坊ちゃんが、この度偶然お目通り叶って御簾の向こうに器量良し。紐の先にオバサン連れたチョッキ姿の猫を見てギョッと驚く器量良し。驚いているが実は初対面ではないのである。
まだ夏の気配が残る頃、夜の散歩の最中にばったり出逢った器量良しは素早く塀の内側に入って「オリョオリョオリョ」と警戒の大きな声で吠えたのだ。
名も知らぬきれいな猫を勝手にオリョと呼ぶようになったのはその時からなのである。

その鳴き声を憶えていたのかいないのか、真似てみたのか坊ちゃんが「オラオラオラ」と出したことのない声で吠えたので本日のお目通りは強制撤収と相成った。
せっかく拝謁許されたのに奇矯な声を上げるとは。懐疑のマナコで見送るオリョにどうぞ女帝にはご内密にと平謝りに謝りながら坊ちゃん抱えて坂道下った乳母である。


     (庭に置かれたあったか箱の中のオリョ。可愛がられてます)





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| 外猫・他所猫・地域猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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青虫冬を待つ


「むむむッ?!」


「届かナイ・・・」


「エエト・・・」


「この棒を使いマス!」

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「届・・か・・ナイッ!!」


「グウゥ~ッ!!」




浅知恵通らず癇癪の舞を舞うここに居り。
すぐそこに見えているのに届かない。手を伸ばせば届きそうなのに届かない。その届かなさ加減こそまさしく坊ちゃんのツボなのである。もうちょっとという距離が彼の本能を擽るのだ。

常であったらハイハイと2つ返事で抱き上げて手伝ってくれるはずの乳母が今日は横目で知らぬ顔。そんならボクだってアタマを使いマス!と坊ちゃんが目をつけたのは、アパートの外壁にくっついたガスメーターを支える1本の棒である。
木登りならばお手の物。勇んで足を掛けたのに、自慢のツメも歯が立たずつるり滑って空しく広がるは後足の指ばかり也。口惜しいは苛立って上向いたまま癇癪の舞。

091108-7.jpg坊ちゃんのお目当ては僅かな庇にぶら下がる小さなアゲハの蛹。数日前に見かけた彼女はまだ青い姿で、寒さに悴んで動けぬのかと案じたのだが、無事に冬支度を済ませて深い眠りについたようだ。
寝子と名のつく獣であるならせっかく寝た子を起こすなど、野暮な行いするなかれ。
虫ギライなヒトにとっては迷惑千万な蛇足であるが、数日前の晩の彼女はヤモリ氏と逢瀬の真っ最中。「ヤァ今晩は佳宵ですね」とヤモリ氏の挨拶で始まって頃来の寒さにお互いを案じる話で盛り上がった後、「それではこれから冬篭りを致しますのでどうぞ良い冬を」と青虫嬢がご挨拶。また来る春の日の再開を誓いふたりは互いに背を向けたのであった。

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| 散歩猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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腰パン夢現


「むきむきむきーっ」

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「じゃ、アレお願いシマス」

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「むーん、それそれ」

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「なかなかイイ腕デス」

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「気持ちイイデス」

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シッポもちょろりん




マコトに拍子抜けする甘え方である。
カーテン透かして届いた陽の光はほんのり柿色を帯びて暖かく、うだうだと寝返りを打つ秋の朝寝の午下がり。のろりのろりと布団を出ると窓辺でうたた寝していたが待ってましたと目を覚まし、ノビをしながらやって来て一頻りまとわりついた後突如豪快に爪を砥ぐ。
鳴り物入りの歓迎に、さては起き抜けの追いかけっこをご所望なのかと慌てて体勢整えたのに、絨毯がっしり掴まえてストンと腰を下ろして見せて腰をたたけとお坊ちゃん。

踏み切る足まで決めたのに不意を突かれて拍子抜け。続いてストンと腰を下ろしてかしこまりましたとオシリたたくと、トントントンと小気味良くたたいた手のひら跳ね返すその温かな体温を感じているうち夢現。重たい瞼をこすってはトントンリズムを取り戻す。

この腰パンは坊ちゃんの甘えたい折の常套手段。ゴハンの後にも合間にも腰パン、眠たくなったら腰パンと気づけば1日オシリをたたいて乳母の手首が悲鳴を上げる。
たたかれたがる坊ちゃんのちょうどシッポの付け根のあたりになにやら毛割れができているなと親切心で直しているとちゃんとたたけと怒られて少々不満な乳母である。

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絨毯に残る爪跡は坊ちゃんの健康バロメーター。日替わりの爪砥ぎ模様を眺めるもまた楽し。





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| 甘え猫 | 21:00 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

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伸るか反るか


坊ちゃん、遊びましょ


「メンドクサイからイヤデス」


「・・・と見せかけて」


「それじゃ行きマスよ!」


「ドーダッ、このツメッ」


「サァかかって来い!」




伸るか反るかはこちらの気迫次第なのだ。
半月型のマナコした寝起きのボンヤリ坊ちゃんに、遊びませんかと誘いを掛けてもまだ目が覚めぬと億劫顔。なんとも小憎らしいその顔見たら乳母ダマシイに火が点いた。
遊ばぬならば遊ばせてみせましょうお坊ちゃん。遊ぶと言うまで許すまじ。今夜はどのテを使おうかと思案顔して立ち上がったら、寝起きのはずの坊ちゃんが鼻を舐め舐めツメを出しかかって来いと踏ん張った後ひらりと床に降り立つと忽ち始まる戦闘ゴッコ。何もせずしてその闘志。さてはさっきの態度は牽制か。はたまた気迫が通じたか。

窓の外には星明り。夜のカーテンの隙間から黄色い灯りがひとすじ漏れて通りの落ち葉をふと照らす。向かいの庭の柚子の枝、その実の重さに耐え兼ねて風もないのにしびれた枝を時折そっと持ち上げる度微かな葉擦れの音がして、今宵も静かに更けてゆく。





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| 遊ぶ猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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届かぬ想い


「大変デスッ!」

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「あそこにイマス!」

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タテハチョウですね

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「コッチに」                「来てッ!」

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「むーーーん」

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「アレッ?!」

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行っちゃったね、坊ちゃん

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「・・・残念デス!」




寄る辺なき想い届かず秋の
チョビ髭もすっかり消えた秋の昼、に出るなり坊ちゃんは物置の屋根へと攀じ登る。視線の先を見てみれば庇の中に迷い込んだか満身創痍の秋の。見開かれた坊ちゃんの目は邪気のない澄んだ青空に似て、そこに映った枯葉色のを見逃すものかと追っている。胸の鼓動も高鳴って早くコッチに来てくれと、寄る辺なき熱い想いを募らせる。

破れた羽で庇の下をふらふら舞うこと一頻り、ふいに出口を見つけたかから飛び立って、どうかこちらに来てくれるなとこっそり念じていた乳母は安堵の吐息をそっと吐く。
残念そうな瞳して乳母を見つめる坊ちゃんに、もののあはれを説いたところで解れと言うのは無理なこと。その目に弱い乳母ではあるがその爪の鋭さも知っている。破れた羽でもないよりは彼岸に渡る助けになろう。のことなぞ構っておれぬと秋はいよいよ澄んでいる。





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| 庭と猫 | 21:00 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

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微妙な鑑定


南風吹いてちらほらと小菊の蕾綻んだ

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「むむっ!コレは?!」

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「鑑定してミマス」

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「ふんふん」                 「ナルホド」

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それで、鑑定結果は?

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「ビミョウなニオイデシタ」




猫の鑑定はニオイがモノを言うらしい。
目だけでモノを探したら猫には勝てる自信あり。ふいと視界に飛び込んで来る虫やらヤモリやらプリン姉さんやらに坊ちゃんが気づかぬこともたびたびなのだ。そして抜群に耳が良い坊ちゃんが乳母には聞こえぬ物音頼りに右に左に頭を振って獲物を探している時も、三角頭の振幅の中央あたりの対象を先に見出し為たり顔して指を差しては乳母の威厳を見せつける。

しかし鼻の勝負となると猫にはまったく歯が立たぬ。行く先々で立ち止まっては地面やフェンスを嗅ぐ坊ちゃんの後からこっそりにおってみても何がニオうか判った試しがないのだから、ニオイの世界に生きる猫らの気持ちなぞ解りたくとも解るはずなし。
ビミョウなニオイが微妙にどうなのか一生かけても知り得ぬことが口惜しや。
せいぜい通りの前方に、彼を酔わせる魔法の蔓が落ちているのを先に見定め得意な顔で指し示すのが関の山。その蔓がどれほど香り高いのか判らぬくせして判った顔で辛うじて面目を保っている乳母なのである。





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| 散歩猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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未練の夕景


「ソレじゃ、次は・・・」


「アッチに行きマス」


「エエト、でもやっぱり」


「コッチに行きマス」


「ヤダ!ソッチじゃないデス!」


「ソッチには絶対行きマセン」




今日もまた巡回半ばで暮れにけり。
町内警備隊長はとかくコロコロ気が変わる。アッチとかコッチとかソッチとか言っているがとどのつまりは同じ方向。手前勝手な選好みをしては巡回警備にならぬのではないか。
夕焼けを映したようなハツユキカズラに何か未練があったのか、自分で先頭きっておいて突然「チガウ!」と屈み込む。持ち上げられぬよう腹這いになったそのついでにドサリと横たわって休息するあたり、散歩の時間を長引かせようと目論んだ確信犯的‘反抗’なのだ。


そうこうするうち日が暮れて西の空では秋風が夕焼け雲を散らかして明日の天気を占っている。
欲張り猫は時間まで自分の手中で操って、引き延ばしたり縮めたりできると信じて疑わぬ。





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| 散歩猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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ヨダレポマード


坊ちゃん熱心ですねぇ

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「チョビ髭チョビ髭って笑うから・・・」

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「キレイにするまで」          「撮影ご遠慮願いマス」

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「よーく湿らせて」            「よーく洗いマス」

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「チョビ髭、もう取れマシタか?」

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取れましたよ                ハンサムです




嘘も方便とはまさしくこのことを言うのであろう。
油混じりの煤がそんなに簡単に取れたら洗剤屋さんは潰れてしまう。そのチョビ髭は工業用石鹸でゴシゴシ洗わねばすぐには取れないのである。昨日散散からかって愉しんだ後、表面に浮いた汚れを随分拭き取ったのだが毛と毛の間に入り込んだ煤は時間に任せることにした。

あんまり面白がったので少々ご立腹の坊ちゃんは撮影拒否を宣言しつつも毛づくろいに夢中。洗顔法も今日は間違えていないようである。洗顔し過ぎて虚ろな瞳でもう取れたかと聞かれれば、まだついてますよとは言えないのが人情というもの。取れた取れた、ハンサムになりましたよと煽てて彼の気分がすっかり良くなったところでそろそろ白状するとしようか。

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乳母が気になって仕方ないのはもはやチョビ髭などではないのである。
30分から時間をかけて熱心に毛づくろいした結果がこの無造作スタイルなのであるかと感嘆の念で見つめていたのだ。無造作というにはワザとらしいほどグチャグチャ過ぎるこのセット、触ってみれば強力なセット力のヨダレポマードでびちゃびちゃである。
このポマードが乾く頃なぜだかきちんと毛並みが整っていることが誠に不可解なのである。

台所ではことことスープの煮える音。ピザのチーズが焼けた匂いも漂ってお腹をグーと鳴らした乳母は、ヨダレまみれの左手をそっとズボンで拭ったのであった。





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| 寛ぎ猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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チョビ髭愉し


オツに澄まして気取っているが


右の頬っぺたをとくとご覧あれ


黒いチョビ髭がついてますが?


「チョビ髭なんてついてないデス」

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ついてますとも                ホ~ラホラ!


「・・・なんだか不愉快デス!」




愉しや可笑しや、にチョビ髭。
もちろん乳母が色鉛筆やクレヨンで描いたワケではないのである。やめておくよう言っているのにトラックの下に顔を突っ込みフガフガフガフガ嗅ぎ回るうち、汚れた煤がついたのだ。
懐中電灯に照らされて有り有りと浮かび上がった黒い筋。一目瞭然どこから見ても片頬にしかつかなかったことが悔やまれるほどの紛う方なきチョビ髭である。

時折フラフラ飛んで来る当てにならない蛾を待って同じ場所から動かずに、西のお空の裏側に赤い色した太陽が姿を隠して40分は過ぎた頃。肩を竦めて足踏みしふっと気づいたチョビ髭の面白いやら寒いやら。シビレも切れてヤケクソにチョビ髭チョビ髭と連呼する。
ご機嫌損ねた坊ちゃん相手に盗み笑いも隠さずにチョビ髭連呼するうちに、そういえば前にもこんなことがあったのだと思い出し笑いの乳母である。


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チョビ髭やーい                うるさいデスッ!





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| 散歩猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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