ごろ太三昧

(雑種猫ごろ太の乳母日傘な日々)

2009年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年10月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

乳製品断固拒否


坊ちゃん、焼いて食べるチーズですよ


「ボク興味ないデス」


ほーら!焼いたら美味しそう!


「それ食べ物じゃないデス」




・・・!。聞き捨てならぬご発言である。
生後1ヶ月半ほどで我が家の一員となった坊ちゃんは、離乳が済んでもご幼少時代毎日お昼に猫用ミルクを召し上がっていた。初めてチーズを食べたときには「まさしくこれぞ醍醐味!」と目をまんまるに見開いて見せ、小指の先ほどのチーズをオヤツにあげる度、ヨダレを床にポタリ落としたものだった。生クリームもダイスキだったのだ。

それが8ヶ月齢を過ぎた頃、理由はわからぬがある日突然ミルクを拒絶。以来、チーズも生クリームも、乳製品に一切興味を示さなくなってしまったのである。
今では手の届くところに乳製品があると必死で砂かけする始末である。キライなことはわかったが、ヒトがウマそうに食べているものを埋めようとするなど失礼千万である。

乳製品ギライになった坊ちゃんは、だからであるのか冷蔵庫を開け閉めしても素知らぬ顔。台所で料理していると傍に来て番をしてはいるが、食べ物にはまるで興味なし。
チョーダイチョーダイ騒がれても面倒だが、ここまで無関心だとなんだかカワイクないのである。用事がないなら台所に来なくてもよろしい、と言ってやりたくなる。
御歳17歳にしてキッチンカウンターに飛び乗ってアンチョビソースをねだるWeedy爺のツメの垢でもいただいて、煎じて飲ませたい気分である。

ところで、このチーズは大家さんからの頂き物。デパートの物産展で整理券までもらって並んで買ったものを「チーズ好きー?」と気前よくくれる奥さんはやっぱりスバラシイヒトなのである。





 人気ブログランキングへ

スポンサーサイト

| 徒然猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ウレシイ陽射し


「ひなたぼっこと」


「毛づくろい」


「両方いっぺんは」


「すごく忙しいデス」


「キレイになったかな?」


「むーん・・・ヨシッ!」




1日にたった30分の陽だまりなのである。
それでも、陽射しが低くなってやっと差し込むようになったお陽さまの光なので坊ちゃんは大忙し。短い間にひなたぼっこと毛づくろいを消化せねばならぬのだ。
いつでもふんだんに太陽光充電できるルイ陛下が羨ましいが、羨ましがってなぞいられない。陽光と追いかけっこの寛ぎタイムなのである。
(ちなみにルイ陛下の太陽電池は何時間充電しても3分しかもたないらしい 笑)

黄金を帯びた秋の光の中、金色の猫型影法師となった坊ちゃんは、血色ばんで緋桃色のベロをザリジョリザリジョリと忙しく動かす。洗濯物を干したい乳母に目もくれずせっせせっせとベロを動かした甲斐あって、残った時間に束の間ゆったりひなたぼっこ。

秋から冬へと季節が進むにつれ、この陽だまりは最長で1時間半に増えてゆく。それまでせっせとマルチタスクでお気張りあそばせ、お坊ちゃん。





 人気ブログランキングへ

| 寛ぎ猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ホメられ上手


坊ちゃんはホントに


歩くの上手ですねぇ


「むふーん、ボク上手デス」


嬉しくてシッポもピンピン


スーパー猫だもんね


「むふーん、スーパー猫デス」




彼は褒められて伸びるタイプなのである。
110センチのリード使ってご近所を闊歩する坊ちゃん。リードをフルに伸ばしておくとお互いかえって歩きにくいし危ないので、半分ほどはたぐって短く持っている。
歩く位置は従者のやや前か横。その代わり坊ちゃんがリードを意識しなくていいよう、短く持ってもリードは決して理由なく引かない。ギブアンドテイクなのである。
カケッコしたりどこかに飛び乗ったりしたい時には絶妙のタイミングでたぐったリードをゆるめるのだが、猫のくせして何の違和感も持たず見事に適応してくれている。

この歩き方、特に教えたワケではないのだが、たまたま上手くできた時ひたすらホメちぎって来た乳母である。ホメられるのが嬉しくて次第にできるようになったというワケで、近頃ではホメられるのを待ったりしているくらいであるからして、猫はホメられても喜ばないという説は絶対ではないということが証明されたのである。

猫もホメらりゃウレシかろう。ウレシきゃ散歩の楽しさも倍増で仲良く歩いて善哉善哉。

猫の身軽さに比べたら従者の乳母は大変なノロマ。狭いところも通れない。気をつけて頑張っても足手纏いになることの方が多いはずなのだ。それでも文句も言わずに仕方ないなとルールを守ってくれる坊ちゃんは自慢じゃないが自慢なのである。
こうして連れ合いに撮ってもらった写真を改めて見ると、本当に上手く歩いていると感心する。




【蛇足的補足】
何事もない時は決してむやみにリードを引かない。猫は強要されることを嫌うし、始終引っ張られていたら散歩は楽しい遊びではなくなってしまう。
リードを引く必要があるのは、入ってはいけない場所(他所様の敷地内や駐車場、危険と思われる場所など)に入りたがった時。動物は水平方向に引っ張られると引っ張り返す習性があるそうなので、垂直方向に向かってクイと軽く引く。実際その方が動きが取り辛くなるようでもあり、不快感も少ないように思える。

それでも諦めない場合には静かに抱き上げて向きを変える。諦めるまで何度でも繰り返すが決して怒らない。ニンゲンの都合に合わせてもらうのだから命令ではなくお願い申し上げるのだ。聞き入れてくれたなら必ずホメてお礼を言う。お頼み申したワケだからお礼を言うのは当然のことである。

車や散歩中のイヌが勢いよく近づいて来た時も静かに抱き上げてやり過ごす。咄嗟の時にすぐ捕まえるためにもリードは短く持っていた方が便利なのである。長さが足りない分は可能な限りニンゲンが猫に近づくことで調整する。
抱き上げる動作が大きいと猫は驚くので急いでいても静かにゆっくり。怖がって暴れそうな時は軽く首の皮を掴んでおく。うまくやり過ごせたらお礼を言って、抱き上げる直前にいた場所にそっと下ろす。

敬意を持って接すれば猫も多少のことはガマンして解かってくれるようである。
力ずくで言うことをきかされたり大声で怒鳴られたりして不愉快に思うのは、何もニンゲンに限ったことではないのである。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

弦月に斑雲


斑雲纏った弦月を仰ぎ見て


「本日パトロール強化日デス」


いつになく精悍な面持で


いつまでも草叢に張り付いて


何の強化か張り込みか




弓張り月が斑雲に透けて草叢に猫の姿あり。
なんだか乙な光景だが、これは恐怖の張り込みなのだ。
排水の溝に沿うように伸びる草叢で、カサコソ不吉な音を立てながら潜んでいるのは大和の君。月明かりに照らされ黒光りする立派な体躯を時折のぞかせて、こちらの葉陰からあちらの葉陰へと忙しそうに駆け抜ける。その度小躍りして追いかけるのが隊長の役目。隊長の任務が速やかに遂行できるよう、「うひゃぁ」と喉元に上がってくる嬌声を飲み込んで粟粒立った腕を降り降り大和の君の行く末を懐中電灯で照らすのが従者の役目なのである。

見たくもない件の君を辛うじて目の端で捉えわざわざ照らすこの苦行、身悶えしつつも励んでいるのに何を思ったか御器噛め、身を隠そうともせず数メートルほどダッシュして大胆不敵に通りを横切る魂胆である。駆け足で追跡する隊長の後をお附きの乳母が慌ててついてゆくと、折りしも坂道をひとりの男性が上がって来てしまった。
すらりと鉛筆のような男性は最近坂の上の家に越して来たばかり。スポット浴びた大和の君と、口とがらせて追う隊長に続いて現れた中年女に行く手を遮られて暫しの間立ち竦み、形容し難い笑みを浮かべて大回りして去って行く。

黒い不気味な昆虫を追い回したいのは坊ちゃんであってワタシは巻き添え食っているのだと、追いすがって弁明したい思いを抑えて、会釈で見送った乳母である。ご近所で名立たる変人の評判はこうして広まってゆくのである。変人の自覚はあるが何卒変態とまでは言われませんようにと、斑雲纏いし弦月に両手を組んで切なる願いを訴えた秋の宵であった。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

知らぬがホトケ


「ボクだって・・・」


「カッコイイとこ」


「見せるんダ!」


「アレッ?!」


「・・・エート」


「ダレか見てた?」




ハイ、残念ながらカッコ悪いとこを・・・。
なにやら思い詰めた顔をしていると思ったら突如フェンスにしがみついた坊ちゃん。どうやら‘フェンスの上で華麗にバランスを取るボク’を見せたかったらしいのだが、横の桟を掴んでしばし後足をぶらぶらさせた後落ちるという、なんどもカッコ悪い結果になってしまった。
こんなこともいつかあろうかと、平均台まで設えてバランス取って歩く鍛錬を積んで来たというのに、そもそもフェンスに乗れるかということについては考えてもみなかったのであった。

フェンスの向こうを覗くフリをしてこの失態をどうにか誤魔化さねばとあれこれ画策してみたものの、名案浮かばず「ダレか見てた?」とおとぼけ顔が少々苦しそうである。
一部始終を見ていた乳母も震える肩に力を込めて「誰も見てませんよ」と苦しさに耐える。
せっかく苦しみを分かち合って絆が深まったことだし、少し離れた生垣からプリンが冷ややかな視線を送っていることは、坊ちゃんには黙っておくとしよう。




【蛇足的補足】
ところで「門柱はダメなのにフェンスには乗っていいのか?」というご質問を受けそうだが、我が家の方針においては当然ダメである(笑)。
他所様のお宅のだということも無論そうなのだが、バランスを崩して反対側に落ちそうになった場合にリードの長さが絶対的に足りないので危険だからである。
この場合の危険は猫だけでなく自分にも及ぶ可能性が高い。猫が向こう側に落ちてもリードを離すワケにゆかないので、腕に相当の衝撃がかかった状態でフェンス等にぶつけるからである。
ついでに、散歩中の猫が落ちたからと言って他所様の庭にフェンス乗り越え侵入する行為はあまりにも非常識で顰蹙買うことマチガイなし。

陽気が良くなって少々ボンヤリしていたところを今回またもや不意を突かれてしまったのだが、高さがあるところに猫が乗ろうとした時には要注意。




 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

悩める坊ちゃん


「プリン姉さんはどうして」


「ボクのこと怒るんダロ?」


「・・・肉球ウマイ」


「ちょっと切ないデス」


「どうしてなんダロ?」


「ボクこんなにカワイイのに?」




このオトコ、実は悩んじゃいないのである。
どうしてなのか思い当たりもしないのがその証拠。きのうのプリンは大変な剣幕だったではないか。猫語だったら乳母よりもずっとわかりそうなものを、シツコクて嫌われたとは露ほども気づかぬまま、ノンキにツメの手入れなぞこなすオメデタイお坊ちゃんである。

それでイイのだ。アネさんに怒られていつまでもうじうじと落ち込まれても乳母が困る。爽やかな風の中玄関先でネイルケアして、ボクってカワイイと構えていてこそ坊ちゃんである。
しかしこの調子では次にプリンに会った時にも彼は突進してゆくに違いない。無礼者!と何度でも、坊ちゃんと一緒に怒られようと覚悟も新たな乳母なのであった。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

怒れる女帝


「プリン姉さん?ボクデスよ」


「いやァねぇ、まただわ」


「ハッキリ言わなきゃダメかしらねぇ」


「あのね、坊や」


「この無礼者がっ!」


「・・・わかった?」




ついに女帝の堪忍袋の緒が切れたのである。
今日もまた門柱の上の姉さんをみつけ嬉々として駆け寄る坊ちゃん。「やめときなさい」とつぶやく乳母の忠言などこれっぽちも聞いてはいないのである。
前回の教訓を生かし、他所様の門柱に飛び乗る前にとにかく抱き上げる。ヒトに全体重を預けた坊ちゃんの全神経はプリン姉さんに向けられている。厭そうな顔でソッポを向いたつれなさに、思わずフーンと鼻息吐いたその瞬間、ついにプリン姉さんの堪忍袋の緒がプチンと切れた音がした。決して他の猫とつるまず、ニンゲンに迎合せず、10年以上この界隈を取り仕切って来た姉さんからすれば、新参者の小僧の態度はあまりにも馴れ馴れしくあまりにも無礼。

女帝の逆鱗に触れた坊ちゃんは、視線逸らしてちょっとナミダ目。泣くな坊ちゃんオトコノコ、奥歯を食いしばって涙を堪えなされと、オシリをトントン叩きながら励ましていた乳母までが
090924-7.jpg

「アンタもよっ!」

とお叱りを受ける。アイスイマセン女帝陛下。度重なるご無礼何卒お許しくださいませと頭を下げて、坊ちゃん抱えてスゴスゴと後に下がる乳母である。
気の早い落ち葉が足元でカサリと音を立て、開け放たれた大家さんちの窓からは忍び笑いがくつくつと聞こえたような聞こえぬような。




 人気ブログランキングへ

| プリン | 21:00 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

鉄屋根の上の猫


茜に染まった空が高い


黄昏映した鉄屋根の上


「今日はニヒルに決めマス」


のたまった直後のその口から


坊ちゃん、またベロ出ています


「ベロなんか出してないデス!」




慌ててしまっておいて誤魔化さぬように。
秋を感じて物憂い気分になったからか、はたまた黄昏を背負った渋いオトコに憧れたのか、やおら車の屋根に飛び乗って唐突にニヒリズム宣言をした坊ちゃんである。
季節が進んで高さを増した空にしばし見とれた後で視線を落とすと、同じ空を映しとった鉄屋根の上、ニヒルな顔した猫の口から微妙にベロが出ているのであった。
指摘されて慌ててしまってから「出ていません」と言い張るのはルール違反である。




 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

黄粉オニギリ


「今日もカワイイボク」


「こんなことされても」


「やっぱりカワイイボク」


ふふふ、大きな黄粉おはぎ!


「おはぎ・・・失礼デス」




無性に握ってみたくなることもあるのだ。
それはおそらく坊ちゃんが「ボクはいつでもハンサムデス」とあんまりオツに澄ましているからなのである。少しは面白い顔もしてみませんかと通りがかりに屈み込み、ぎゅっと握った猫握り。
逆らいもせずただ大人しく握られているその顔は、予想に反してさほど崩れもしなかった。
崩れぬどころか握られて細めた目などかえってカワイク感じられ、ヘンな顔にしてやろうという目論みは見事失敗。なんだか不満な乳母である。

この坊ちゃんオニギリ、オニギリと言うより黄粉をまぶしたおはぎのようである。そういえばお彼岸でしたねとつぶやいて、坊ちゃん見ながら緑茶などすする秋の夜長である。


090922-6.jpg猫の顔で遊んだので自分の顔でも遊んでみようかと、ソフトバンクのお兄さんに似顔絵を描いてもらった

うひゃひゃひゃひゃ!
あまり認めたくはないのだが、なんだかちょっと似ているかも(笑)。握らなくても楽しめる乳母の顔であった。





 人気ブログランキングへ

| 徒然猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

螂子さんの舞


夜の庭で見上げるものは


右に


左に


ユラユラ動く


螂子さんの


フシギな舞





夏の盛りに駐車場で初めて会った彼女は、そのときの約束通り我が家の庭に住居を構えてくれた。夏中毎日顔を合わせて来たのである。指先ほどだった小さな体がいつの間にかイチニンマエの大きさになり、庭先でいつも愛嬌溢れるポーズを見せてくれていた。
涼しくなったゆうべの庭でふと坊ちゃんが頭をもたげたその先を目で追ってみると、半透明の庇の上に影絵の姿で彼女がいたのである。ユラユラと不規則に揺れて幻想的な蟷螂の舞をたったふたりの観客にじっくり披露してくれた。ガムランの音が聴こえた気がした。

翌朝彼女は庭から姿を消していた。
螂子さん螂子さんと毎日呼びかけ、ずっとそこにいてくれるような気になっていたのに、別れは突然にやって来たのである。昨夜のダンスは別れの舞だったのか。
物寂しい心持で佇む足元には坊ちゃんが座っている。その柔らかな毛皮に触れようと伸ばしたてのひらに、そっと頭を押しつける。なんと温かき三角形よ。

螂子さんの行方は誰も知らない。


*螂子さんが登場する他の記事
  ●チビッコハンター
  ●似たもの同士  
  ●退屈坊ちゃん  
  ●葉っぱグルメ  




 人気ブログランキングへ

| 庭と猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

天高く鳩肥ゆる


「アッ!デッカイ鳥デス!」


「むむっ、届かない」


「ああっ」


「・・・行っちゃいマシタ」


坊ちゃん、こっちこっち


「!2つになりマシタ!」





坊ちゃんのため、乳母が帽子から出したんです。
初めて見たワケでもないのに、電線の鳩を見つけて大興奮の坊ちゃんである。届きもせぬのにハンターの構えで全レーダーを鳩に向けロックオン。
しかし殺気を感じたか、ふいに鳩が舞い上がり姿を消した。通りの向こうの屋根の上、アンテナで待つ友達と合流したのを見逃して、どこかに行ってしまったとガッカリ顔をしなさるな。
乳母が「ホラホラ」と得意になって教えれば、手品でも使ったのかと一層頬をふくらませる。

坊ちゃんのためであれば、たとえ火の中水の中。被った帽子の一振りで鳩を2つに増やしたと、手柄を自分のものにして胸を張ってみせたことは、坊ちゃんには内緒にしていただきたい。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ココロに秋風


「いい気分だったのに・・・」


「またあの小僧が来たねぇ」


「もう夏は終わったのよ」


「プリン姉さんっ・・・」


「プリン姉さん?」


「いつまでも暑苦しいわねぇ」




秋の風が胸に沁みますネェ、坊ちゃん。
この間ご近所チェックをジャマしてキツーイひとことを浴びせられたのに、門柱の上の彼女をみつけるやいなや駆け寄る坊ちゃん。忽ちフキゲンになったプリン姉さんは小僧と目なぞ合わせてやるものかと、ひたすら知らん顔を決め込む。
乗ってはいけない人様のお宅の門柱に堪り兼ねて飛び乗った坊ちゃんが熱視線を送るほどに、女帝の心は冷えてゆく。頑なにツレない態度でとうとうオシリを向けられてしまった。

向こうの家の屋根の上では鴉が頓狂な声を立てる。あちらではスズメが数羽連れ立って家路へと飛び立って行った。判然とせぬ曇り空にそれでも段々と夜が近づいて来て、幾許か蒼味がかった空気を揺らす風はやわらかいがひんやりと冷たい。もう秋なのだ。きっぱりとやって来た秋のごとく、プリン姉さんの心持もきっぱりと「お断り」なのであろう。
でも、ひたむきに見つめている坊ちゃんのために、その横で阿呆面して立っている足元冷やした中年乳母のために、ほんの少しだけこちらを向いてはいただけぬものだろうか。





【蛇足的補足】
プリンはアパートの大家さんちの猫。写真の立派な門柱は大家さんちのだからして、彼女が乗る分には何も問題なし。が、坊ちゃんが乗るとなると話が違ってくる。「門柱に乗るとは主の頭に乗るようなもの、誠に怪しからん」と思うヒトも世の中にはいる(かもしれない)。猫が嫌いであればなおのことであろう。
もちろん、大家さんは「乗っても構わない」と言ってくれるのだが、ここに乗ってヨシとするとどの門柱にも乗ってヨシということになってしまう。誰の門柱かという区別を猫にさせるのは難しいことなので、ワタシは一貫して他所様の門柱や塀には乗ってはいけない、ということにしている。

しかし、この日はウッカリ目を離した隙にやられてしまったのである。坊ちゃんのあまりのひたむきさに負けて、今日は特別ということに相成った。が、今後一切門柱飛び乗りはお断りデスよ。





 人気ブログランキングへ

| プリン | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

逆襲ゴロン


「ヘンなニオイをつけられたァ~」


「ツイスト音頭でェ~」


「ヨヨイのヨイのヨイのォ~」


「ヨイッ!・・・っと」


「むふーん、キマッタ」





*9月のシャンプーの翌日、駐車場にて ( #9/100 ) 



イタチごっことはこのことを言うか。
シャンプーの残り香漂う翌日は特に念入りにゴロンゴロン。毛皮についたヘンなニオイをこすり落とそうとせんばかりに、即興のツイスト音頭に合わせアスファルトの上でシツコクシツコク転がりまわり逆襲を果たす坊ちゃんである。額に汗して洗ったというのに、ものの2分で得体の知れぬ砂塵にまみれ、キメのポーズでしたり顔。



という生き物は、気分がいいとゴロンゴロン実によく転がる
その転がりっぷりを100回分集めてみたら、何らかの法則が 
みつかるんじゃないか?という、いい加減かつ無計画な試み、

それがこのゴロン百景』である。




 人気ブログランキングへ

| ゴロン百景 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

魔法の呪文-2


「やっぱりタスケテェ~!」


でも、終わったらモンプチですよ?


「・・・ガンバリマスッ」


「モンプチに釣られて」


「また洗われてしまいマシタ」


「ク、クヤシー」




この呪文、マコトに効果絶大なのだ。
猫洗いも佳境を超えて、残るはリンスのすすぎとタオルドライ。しかし、坊ちゃんのガマンはとうに限界を超えているのだ。「タスケテェ~!」の悲鳴も、だんだんと本気になってくる。
それでも提灯ブルマー乳母は決して慌てない。魔法の呪文を唱えれば、叫喚猫は直ちに良い子に早変わり。何度唱えても効果が薄れぬこの呪文、神様仏様モンプチ様である。

かくして今月も愉しいひとときが終わった。呪文に助けられながらがんばった坊ちゃんは毛づくろいもそこそこに、約束通りのご褒美に舌鼓。その坊ちゃんの宇宙人のごときずぶ濡れ姿をオモシロオカシク堪能した乳母も、汗を拭って大満足。
洗った側も洗われた側もそれぞれがシヤワセ気分で、スバラシキ哉シャンプータイム。



きのうの記事からの続きデス。




 人気ブログランキングへ

| 徒然猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

魔法の呪文-1


「エエッッ?!」


「シャンプーなんて」


「ヤダーーーッ!!」


坊ちゃん、終わったらモンプチですよ


「・・・モンプチ」


「ガンバリマスッ」




泣き叫ぶ猫にシャワー。月に一度のお愉しみ。
今月も、風呂場でシャンプーを泡立て始めると懲りない猫がやって来る。捲り上げたパジャマの裾が提灯ブルマーにも似て不気味な乳母に、今月も鼻歌混じりでシャワーをかけられる坊ちゃん。こうなるとわかっていたクセして驚いてみせるお約束のリアクションもお見事である。
愉しい愉しいシャンプーの時間。みっちり毛皮を濡らしたら、2度のシャンプーとリンスとが彼を待ち受けているのだ。吃驚顔が叫喚へと変化してゆく様子も、これまたをかし。

もしも泣き叫んでも大丈夫。月に一度の優越感に浸りつつ、ただただ笑顔で「モンプチですよ」と魔法の呪文を唱えればいいのである。


明日はリンスをすすいでタオルドライ(笑)




 人気ブログランキングへ

| 徒然猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

模倣猫の意地


「大変デスッ!!」


「ボクの電柱にイヌが・・・」


イヌ:「なんか文句あるか~?」


「むむむむ~ん!」


「落書きは禁止デスよ」


「その電柱はボクのデス」




猫には守らねばならぬ電柱がある(らしい)。
件の電柱の横に写っているフェンスは我が家の庭先のもの。つまり縁側から1メートルちょっとのところに電柱は立っているワケで、小さかった坊ちゃんは来る日も来る日も飽きもせず、窓からこの電柱をジーッと眺めてスクスク育ったワケである。
だからかどうか知らないが、散歩を始めたばかりの頃はなんとかしてこの電柱に攀じ登ろうと、彼はあらゆる努力をした。しがみついてもツメが立たぬと解かると、助走をつけて飛びついては硬い柱に拒まれて、ぎゃふんと地面に跳ね飛ばされていたものである。

ところでこの電柱、立ち寄らぬものがいないほど散歩のイヌにも大人気。家の中にいる分には黙って見ている坊ちゃんなのだが、こうして外で遭遇すると落書きは許すまじとばかりに背中を丸めて、勇敢にも立ち向かって行くのである。

しかし、坊ちゃんは知らないのだ。苦笑いしながら去ってゆくイヌの飼い主に、これまた苦笑いでイヤハヤスイマセンねと頭を下げている乳母のことを。
そして毎日鼻先の電柱に通って来る彼らのお陰で、引き紐つけてノロマなニンゲンと一緒に歩く方法を、知らず知らずのうちに学んでいたのだということを。





【蛇足的補足】
イヌに行き会った猫が背中を弓なりにして威嚇のポーズをとるのはそんなに珍しいことではないが、威嚇は「それ以上近づくな」のサイン。動物同士何が起こるか予測がつかず危険なので、普段は抱き上げて回避している。
イヌが友好的気分で近寄って来た場合も、怖がった猫が引っ掻く可能性大。他所様の大事なワンちゃんに怪我をさせたら大変。
猫がパニックになって逃走する危険も大いに孕んでいるので、お互い安全に楽しく散歩を楽しむためにも、近づけないのがいちばんである。
(つまりこんな風に写真を撮っているのは悪い例です ^^;) 





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ご馳走召しませ


坊ちゃん、モンプッチーからご馳走届いたよ


ツナのほうれん草添えクリームソース!


「ソレ、早くクダサイ!」


「むふ~ん」


「ウマ~イ」


「オカワリ用意してクダサイッ」




ヨリ目になるほどウマイそうである。
坊ちゃんご贔屓モンプチの秋の新製品プレゼントが届いたのである。缶詰とカリカリをそれぞれ3種類ずつ。モンプチさんたら太っ腹なのである。
メタリックな缶を見た瞬間南の国の好好爺Weedy氏のお誕生日ディナーとお揃いではないか!と鼻息荒くするも、呪文料理でなかったことに少々落胆する乳母。
(Weedy爺のは『太平洋のエビと野菜入り 魚介とタマゴのスフレ』という呪文料理なのだ)

しかし坊ちゃんは缶を開ける前から大いに盛り上がり、クダサイクダサイとついて来る。開ける前から猫が盛り上がれるところがモンプチマジック。パカンと景気良く開けてみれば、ツナ(風味の湯葉的なモノ、たぶん・・・中傷ではないデスよ)とホウレンソウらしき緑の葉っぱがひたひたのクリームソースから顔をのぞかせている。
なかなかウマそうでないの、とお夜食皿に盛り付ける。普段食事でさほどテンションの上がらぬ坊ちゃんだが、この時点でボルテージが最高潮に達してカウンターに飛び乗った。
そしてテチテチテチテチと、坊ちゃんが夢中で召し上がる音がしばし台所に響くのであった。

乳製品ギライの坊ちゃんだがモンプチのクリームソースは秘伝のスパイスが効いて大層ウマイのだそうである。あまりのウマさにヨリ目になって、お夜食中にトリップしているほどなので、乳母は慌ててオカワリを用意したのであった。

そんなにシヤワセになれるのであれば、呪文料理でなくとも乳母も大満足である。
食欲の秋。スプーンにもう1杯分のご馳走を、さあさ召しませお坊ちゃん。





 人気ブログランキングへ

| 徒然猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

プリンゴロン


「ふー、過ごしやすくなったわねぇ」


「ヨッコイショと」


「フンフンフーン」


「あー、清々するねぇ」


「ウザイのもいないし・・・」


「今日は気分がイイねぇ~」



*初秋の駐車場の端っこにて ( #8/100 ) 



・・・アネさん、おパンツはいてくださいな。
いつも彼女の自由時間をジャマするウザイオトコの保護者はワタシだが、今日はお使い帰りだったので、まだ坊ちゃんは家の中。そうと知ったプリン姉さんはご機嫌も麗しくアスファルトの上をゴロンゴロンと豪快に転がってみせた。
初秋の午下がりの爽やかな空気を誰にも邪魔をされず無邪気に楽しむ姿は、プリン姉さんのイメージを覆すほどかわいらしい。が、ご高齢と謂えども姉さんはオンナノコ。
こうもドーンと潔くオシリを見せられるとなんだかナニカが心配になって、パンツをはいていただけないかと思ってしまうワタシなのであった。



という生き物は、気分がいいとゴロンゴロン実によく転がる
その転がりっぷりを100回分集めてみたら、何らかの法則が 
みつかるんじゃないか?という、いい加減かつ無計画な試み、

それがこのゴロン百景』である。




 人気ブログランキングへ

| ゴロン百景 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

催眠坊ちゃん


アナタは動けなくな~る


ほ~らほら、ね?


「ちゃんと動けマス」


「ボクはダマされマセン」


「後足だって動きマス!」


「・・・アレ?」




騙されぬつもりで騙されてしまった坊ちゃん。
騙されませんと澄ました顔で言いながら右手と後足を動かして見せたが、最初の左手は微動だにしていないではないか。覚醒したままでいとも容易く催眠術にかかってくれるのだから、彼はまだまだコドモ。お手玉使って坊ちゃんを手玉に取ってやったぞとほくそ笑んでいる乳母も、これまたオトナ気ないのであるが、猫は1つのことにしか集中できないことを証明。
(新しい刺激が加わると前の刺激を忘れてしまうらしい)
ところで、このお手玉はお菓子のポポロン。乳母は食さぬが連れ合いの大好物。
最近あまり売っていないと、どこかで見つけるたび大量に買って来て、なぜかお気に入りのミニカーとともに飾られている。
坊ちゃんのお手玉になった貴重な2粒は、もちろんこの後連れ合いが美味しくいただいたのであった。
090912-7.jpg




 人気ブログランキングへ

| 徒然猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ニャン法修行


「これはニャン法 垣間見の術デス」


「そしてニャン法 手探りの術・・・」


「これだけじゃないデスよ」


「最近新しく覚えマシタ」


「ニャン法 押し鮨の術デス!」




みっしり詰まって敵の目を欺く術ですか?
大家さんちの物置小屋の屋根あたりに、何かを発見した坊ちゃん。わざわざいちばん狭いところにみっしり詰まって、真っ黒マナコで狙う相手は夏の名残のミンミン蝉である。
その姿がまるで押し鮨のようであるところからこの術の名になったそうな。

木目こそついているがツメもかからぬトタンの壁。登れるはずもないものを、獲物と見ればついつい律儀に忍び寄ろうとするその心意気は天晴れ。忍法ならぬニャン法で角材に化けて敵の目を欺こうとしているようだが、残念坊ちゃん、その出っ尻では蝉といえども誤魔化されまい。

木登りが得意なのだから横の角材を登ってみればいいのにと思った乳母だが、登られると往生するのは自分であったと口には出さずに黙っておいた。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

夕焼け段々


そっちは入っちゃダメですよ


「むー、じゃ我慢シマス」


「エート、民草を睥睨って」


「やってみようかな」


「む?アレは何ダ?」




090625-7.jpg
梅雨の頃から徐々に散歩コースに加わった長い長い階段の上でのことである。
この間はやっと天辺に届いたのに、ヤギの王なぞと言われた坊ちゃん。
乳母にハッパをかけられて、今日こそ王の威厳を持って下界を見下ろしてみようとシッポに力を込めたのだが、なんだか自信のなさそうな風采である。
背後の気配が気になって落ち着かぬ様子の坊ちゃんは、民草の睥睨を今日も忘れてしきりに後ろを振り返る。少し動いてみてはまた、安全柵の下から顔を覗かせる。

玉座に就くには若過ぎる、弱冠2歳のお坊ちゃん。
しかし、常に周囲を警戒する用心深さは悪くない。そのパトロール能力が評価され夕焼け小焼けの段々で、本日付、近衛連隊長を任命された彼なのであった。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

1日の終わりに


一緒に眠ろうと猫が待つ


撫でてくれろと待っている


満足するまで撫でましょう


今日の終わりのひと仕事


キミが眠りに落ちるまで




なし終えぬのが乳母の業である。
宵っ張りの乳母が寝床に入るのは、いつも深夜の2時をまわってから。坊ちゃんは先に眠くなるとベッドの上で待っている。律儀なことに股猫寝の位置で、うたた寝しながら待っている。
いざ眠らんとベッドに行くと、うれしそうに転がって撫でてくれろと彼は言う。

1日の終わりの、これが最後のひと仕事。撫でているうち頭の奥から歌が流れてくる。

遠き山に陽は落ちて 星は空を鏤めん
今日の業をなし終えて 心軽く安らえば
風は涼しこの夕べ いざや楽し団居せん

(この歌のメロディは、ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界」の第2楽章主題部分)
(美しいニホンゴの作詞は堀内 敬三氏)

本当のことを言えば、乳母の仕事はまだ終わっていない。この後坊ちゃんの敷布団となり枕となって、24時間ご奉仕が務め。安き御股に守られて、いざや楽しき夢を見ん。





 人気ブログランキングへ

| 甘え猫 | 21:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

葉っぱグルメ


「むむっ?!この青い香り」


「この舌触り」


「シャクシャクの噛み応え」


「この味・・・」


「ホンモノデス」




うるさい葉っぱグルメも思わず頷くウマさ。
それもそのはず、この草は連れ合いの大事なバラの鉢植えにワッサワッサと茂った芝草なのである。燕麦を直播きした庭のプランターで坊ちゃんが抱卵するので、夏中とうとう生えず終い。
草は路地モノと拘るので室内栽培も中止したものだから猫草は枯渇。
そこへ生えて来た貴重なイネ科の雑草なのだからして、どうか引っこ抜いてくれるなと連れ合いに頼み込んで手塩にかけて茂らせてきた天然モノなのである。

肥料をみんな雑草に吸い取られたお陰でバラは咲かず飛ばずでしょぼくれているが、グルメを気取る坊ちゃんは今日も庭先で好きなだけ草を齧って大満足なのであった。


ところでこんなにチビで夏の間にオトナになれるのかと案じていた螂子さんは、気づけば立派に成長を遂げていた。写真はほぼ実物大。相変わらずの愛嬌者である。





 人気ブログランキングへ

| 庭と猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

月夜の力瘤


東の空にはまんまるお月様


しかし坊ちゃんが見上げるのは


駐車場の脇の壁なのである


「あの上が見たいデス!」


ハイハイと抱き上げる過保護さよ


「こっち側も見たいデス・・・」




いえいえ、どうかもうご勘弁ください。
夜空の明るさにふと見れば、初秋の満月上りて東の空はうっすら紫がかり、路傍の茂みからは何やら秋の虫の声。しばし見とれて視線を戻すと坊ちゃんも夢中で見上げている。
彼が見上げるのは月ではなく駐車場の脇のアパートの壁。先ほどつと姿を見せたヤモリ氏がフイと消えていったあたりを凝視している。きのうのきょうでまたヤモリなのである。

坊ちゃん曰くヤモリ氏は非常に興味深い観察対象なのだそうな。
それはそうかもしれないが、ちょっと抜けている庭の木の字と違ってここのヤモリ氏は敏捷なのだ。こちらの気配をいち早く察して消えてしまったのだからして、今観察しているのはヤモリ氏じゃなく壁面であろうと知らしめたく、乳母はうっかり坊ちゃんを抱き上げる。

ところが坊ちゃんは壁の住宅設備機器の金属製のカバーを見つけ「この中に居マス!」と無理にアタマを突っ込むことに熱中。諦めていただくはずが助長させてしまったのである。
満月や 光冴やけき 力瘤。5キロの坊ちゃんを抱いて腕の痺れに耐える。上腕の筋肉が衰えて振袖腕にならぬための鍛錬と割り切るには、あまりにもハードな30分であった。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

木の字に決定


熱心に隙間を覗いている


その理由はまたこのお方


またもや間違ったアプローチ


プランターから転げ落ちて


「むむっ、トドカナイ・・・」


「クゥーーーッ!」


「・・・手が抜けなくなりマシタ」




入ったんだから抜けるはずですよ。
またヤモリ氏である。それもまたもや隙間にご登場。届きそうで届かぬ隙間でまばたきもせず黒い瞳をツヤツヤきらめかせて、今日もまた坊ちゃんを魅了するのである。
よくよく見ればヤモリ氏のシッポがやけに短い・・・ということは、氏はやはりいつぞやの氏なのである。シッポまでちょん切られたクセして同じ場所に現れるとは大胆不敵な懲りない輩。

そして隙間を覗いて鼻息荒げるこの猫も、また懲りない輩である。
届かぬとわかっていながら歯軋り混じりで手を突っ込み突っ込み、その手が抜けぬと恨めし気な顔で、ヒトに助けを求めてくる。入ったんだから抜けます。お気張りあそばせ。

茜さす 庭で右行き左行き ヤモリは見ずや 君が尾を振る

手が抜けぬ坊ちゃんは放っておいて、替え歌ならぬ替え和歌を捻り出してみる。額田女王が聞いたら激怒するかしらん、しかし彼女がこの事実を知るはずもないのだしなどとニヤニヤしながら考えていたら、突如坊ちゃんがプランターの陰から踊り出た。
慌ててリードを握り締めた乳母の目に映ったもの、それは・・・

はたき飛ばされ木の字になって宙を舞うヤモリ氏。
着地後、例によって氏は無事に逃げ果せたが、広げた四肢と短いシッポの見事な木の字であった。氏の名前は『木の字』だ!と思わず膝を打った乳母であった。
坊ちゃんを阻止するために両手を塞がれて、写真のないことが返す返すも口惜しや。





 人気ブログランキングへ

| 庭と猫 | 21:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ハナクソ善哉


「休憩中も警戒を怠ってはイマセン」


「むむ!怪しいヒトがイマス?!」


「あ、あれはウチの爺やデシタ」


あれれ?ちょっと坊ちゃん?


「ナニカアリマシタカッ?!」


・・・いや、何でもありませんよ




ハナクソですとは言えなかった乳母である。
町内パトロールを恙無くこなすためにはたとえ休憩時間であっても気を抜いてはならぬのだと、今日も鼻息荒い坊ちゃんなのだ。デキルオトコなんデス!と警備隊長よろしく乙に澄ましているところに、ハナクソですよなんぞと水を差したらご機嫌を損ねること必至である。
沈黙は金なり、口は災いのモト、触らぬ神に崇りナシ、桑原桑原・・・。
090905-7.jpg
休憩時間を終えたハナクソ隊長はご機嫌よろしく町内を巡回。ハナクソほどの危険もナシとハナクソ顔で大満足であった。
後はハナクソをそっと取り去り善哉善哉。

言いたいことを飲み込んで消化不良気味の乳母は、半ばヤケクソで今更ハナクソを連呼しているのである。






 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

お楽しみの前


「これしたら散歩ダ!」


「うむむむーん」


「腕も通してと」


「できマシタ!」


「ボク、できマシタ」


「お散歩、むふーん」




散歩に行きたい一心でハーネス輪くぐり。
首も胴も輪っかは調整できるのだが、ゆるめておいて都度締め直すのがメンドウな乳母は、毎回狭い輪っかを坊ちゃんの頭にくぐっていただく。庭が気になってしかたない坊ちゃんはなぜか神妙な顔をしながらも、慣れた仕草でホイホイと頭と腕を通してくれる。
この後首輪に虫除けチャームをつけて、お楽しみの前の儀式は終了。坊ちゃんが出かけたいタイミングでありさえすれば梃子摺ることは何もない。お楽しみの後の儀式とは大違いである。

090904-7.jpg

このハーネス輪くぐり、猫にとっては愉快ではないはずである。それを毎回円滑にこなしてくれるのは、1日1回の散歩が余程愉しみだからなのであろう。
雨が降ろうとご近所で奇行と噂されようと、坊ちゃんの町内パトロールを欠かすワケにはゆかぬ理由はこういうところにあるのである。





 人気ブログランキングへ

| 徒然猫 | 21:00 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

朝の上昇気流


おはよう坊ちゃん


「むー・・・ボクはまだ寝マス」


しばらくして様子を見に行くと


夢の中で片耳をはためかせ


猫は上昇気流に身を任せていた




天高く 猫駆け上がり 秋近し。
明け方降った猫毛雨の気配がまだ仄かに漂う静けき朝、坊ちゃんはひとり夢を貪っている。両腕伸ばし、シッポでバランスを取り夢の空高く上昇中である。

どうせなら渡り鳥を追いかけ上昇気流に乗り、アルプスを超えてゆく夢を見ていただきたい。岬の突端の一本松の上で滑るように円を描く鳶目指して、一直線に駆け上がるも良し。
けれども世間知らずのオボッチャマの夢とあっては蝶の空中キャッチがいいところ。
そもそも飛ぶ夢を猫は見るか。
カラダひとつで空を飛ぶことなど不可能なクセして、ニンゲンは誰しも一度くらいは空飛ぶ夢を見る。オツムの中の構造が似ていると言われる猫も、あるいは飛ぶ夢を見るかもしれない。

ところで本当に夢を見ているときの猫はこんなにじっとしていない。手足ピクピク耳ハタハタ、瞑った瞼の中では目玉がグルグル動いて、寝言を言うことすらある。夢見る小さな三角頭の中では記憶の整理が行われているらしいので、ゆめゆめ慌てて起こしてはならぬ。




先日応募させて頂いた「悪人顔コンテスト」 
つつがなく開催され、現在投票受付中です。
投票は9月4日まで。ぜひご参加くださいね。




 人気ブログランキングへ

| 眠る猫 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

カタセと云ふ猫


「ふんふんふ~ん」


カタセ、ゴハンおいしい?


「ウ~ン、そうね~」


「マアマアかな」




いと愛らしき錆猫あり、名はカタセと云ひにけり。
先代猫亡き後、実家の庭に姿を現すようになった彼女。侘しい気持ちの乳母とその母とを慰めてくれたココロ優しきお嬢さんである。年の頃は憶測で3~5歳というところ。
とても用心深く、はじめは人目があるとゴハンを食べず遠巻きに様子をうかがっていた。
いまだに触ったことはないが縁側の窓を開けて「カタセ~」と呼ぶと、向こうの通りからタッタッと軽やかな足取りで駆けて来る。やがて目の前でゴハンを食べるようになり網戸越しにじゃらしで遊ぶようになった。彼女がいるときに庭に出ても逃げなくなった。
気難しい猫が段々とココロを開いてくれるのはウレシイものである。

さて、このカタセだが一昨年の冬に皮膚病に罹ってしまった。どうも首のあたりを頻りに掻いていると思っていたら、あれよあれよと言う間に頭から肩口までハゲてしまったのだ。
生き物は健康を損なうと自信も失う。普段よりもまわりの生き物の存在を脅威に感じて思うように行動できなくなる。自信を失くしたカタセはすっかり尾羽打ち枯らし、他の猫の気配にいつもビクビクして過ごすうちニャン相まで悪くなってしまった。
090902-56.jpg

おそらく白癬ではないかと治療法を調べてみると、徹底的に洗って清潔にし、完治するまで塗り薬と飲み薬を併用しなければならないらしい。外猫には難しいやり方である。
そばに寄ることもままならぬ彼女をどうしたらいいものか悩んだ末、病院には連れてゆかずにウマイものをたらふく食べさせて経過を見守ることにした。臆病になった彼女を捕獲機で捕まえたらどんなにか怖がるだろうと考えると踏み切れなかったのである。怖さのあまり中で暴れてツメをすべてなくしてしまう猫もいると聞く。それでは元も子もないではないか。

ニャン相が悪くなった彼女は他の家で邪険にされたのか足繁く実家に通うようになり、それがたまたま功を奏した。規則的にゴハンを食べるうち栄養状態が良くなって、自分の力で病気に打ち勝つことができたのである。春になる頃にはすっかりキレイに治っていた。

切れ長のキリリとした目が女優のかたせ梨乃氏に似ているからとつけた、カタセという名。
皮膚病にも負けず、真冬に毛皮の一部を失くしてもなんとか寒さを乗り切ったその強さ。
自信を取り戻し、ふっくらと美しい毛並みで尚一層かたせ氏に似て来た彼女は朝晩欠かさず実家に通って来る。もしも悪さをしたら後片付けに行きますとご近所に挨拶してまわった甲斐あってか、今ではみんなに可愛がってもらっている。
いつしかどうしても病院に連れてゆかねばならぬ日も来るかもしれないが、その一生を、責任を持ってこれからも見守るつもりでいる。





 人気ブログランキングへ

| 外猫・他所猫・地域猫 | 21:00 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

露天で腰パン


「そこデス、そこデス」


「むむむむーん」


「気持ちよかったデス」


「それじゃしばらく」


「ココで寝るとシマス」




ついに昼寝の番人を託された乳母である。
坊ちゃん言うところの町内治安保守パトロールの休憩時間のことである。玄関先で腰パンをねだられたあたりから、なんだかイヤ~な予感はしていたのだ。
秋めいて心地よい風を受けながら、小鳥や虫の音を近く遠く聴きながら、ゴッドハンドの施術を受けてすっかり気持ち良くなった坊ちゃんは露天にて昼寝に突入。
道具立てこそ貧乏臭いが、お坊ちゃん猫は居ながらにして高級リゾート気分である。
昼寝など家の中でしてくださいよと強く言えない猫の僕は周囲の安全を見張りつつ、そのゴッドハンドで時折たかる蚊を払い、通行人に失笑されるのである。

通りかかった婆さんが「いつもいいわねェ~」と話しかけてきた。「たまには猫と交代したいです」と返すと、「あーらアタシもよォ~」と頓狂な笑い声を立てたので坊ちゃんが飛び起きた。
婆さんや、猫に変身できたなら我が家のドアを叩きなされ。厚待遇でお迎えしますぞ。





 人気ブログランキングへ

| 散歩猫 | 21:00 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。